アイヌの生活実態
北海道が2013年に実施した「アイヌ生活実態調査」によれば、
調査対象にした北海道に住むアイヌ民族の人数(注 : 1)は、66の市町村に16, 786人となっており、日高振興局と胆振振興局管内とで70. 1パーセントを占めています。
この調査の制約などから、調査結果で示されるよりもはるかに多くのアイヌ民族の数が見積られます。
また、調査範囲が北海道居住(注 : 2)のアイヌに限定され、かつ質問事項も限られていることから、
アイヌの生活実態を十分に把握しきっているとは言えませんが、
それでもこの調査結果からアイヌ民族の生活や教育などの厳しい状況が明らかです。

hokkaidou_public.jpg
注:1 道は、地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる人、また、婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる人と定義し、自らが表明する人のみを調査対象とした。
注:2 全国的な実態調査は、国連人種差別撤廃委員会から要求されているが行われていなく、道外に住むアイヌについては、1988年の東京都実態調査において東京在住のアイヌ推計人口が2, 700人と見積もられているものが最も新しい。
産業分類別就労者比率(%)
働いている人の36.0%が農業・漁業などの第一次産業に就き、第二次の工業・建設業第三次の
中小企業を営んでいる人も併せてアイヌ居住市町村経営規模は零細です。

public_01.jpg

public_03.jpg
 
41年間で、第1次産業就労者が約半分と大幅に減り、一方、第3次産業就労者は2.6倍以上に増えています。
 
生活保護率(‰)
人口1000人中、保護を受けている人の割合(北海道の生活保護率は、全道平均より高いことに注意)
現在の生活についての意識は、「とても苦しい」「多少困る程度」を合わせ77.6%で前回より幾分改善(前回81.1%)され、生活保護を受けている人は約1.4倍で、率は多少改善しています。
(全体の数値はアイヌが居住する市町村の平均を示しています)
 
public_04.jpg
 
高校・大学進学率(%)
高校進学率は全体の98.6%に対して92.6%、大学進学率も43.0%に対して25.8%と低く、社会的地 位を向上する上で大切な教育面の格差解消が依然急務です。

public_05.jpg
 
残っている差別
物心がついてから今までに、何らかの差別を受けたことがあると答えた人が23.4%、自分に対してはないが、他の人が受けたのを知っていると答えた人が9.6%います。

   ※かつて差別を受けたことがありますか(%)
public_06.jpg

差別を受けた場面(本人・他人の合計/最近6,7年) 複数回答(%)
public_07.jpg

詳しい内容につきましては下記ホームページアドレスの北海道環境生活部の平成25年北海道アイヌ生活実態調査報告書をご覧ください。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/new_jittai.htm