理事長メッセージ
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 イランカラテー。
 平成二十九年の新春を会員、賛助会員の皆様とともに迎えられましたことに謹んでお慶び申し上げます。

 昨年を振り返りますと、三月にアイヌ協会創立七十周年の節目の年を迎えることができましたし、また、アイヌ協会が長年にわたって求めてきた立法措置に向けて、皆様の思いに応えるべく駆け回った一年でもありました。
 三月二十八日、新党大地の鈴木代表のご案内で菅官房長官にお会いし、生活支援、教育や就労支援の充実、全国のアイヌを対象とした総合的なアイヌ政策を推進していくための法律制定を要請しました。これが契機となり、五月に開催されたアイヌ政策推進会議の検討報告書に法的措置の検討が盛り込まれ、官房長官からも法的措置の必要性についてもしっかりと検討していきたいとのご発言をいただきました。

 七月二十八日、官房長官の指示のもと、新たに内閣官房副長官、関係省庁の事務次官で構成されるアイヌ総合政策推進会議設置の報告がされ、現行施策の改善方法を含め、若い世代や様々なアイヌの立場からどのような施策が必要か固定観念や先入観を取り払いアイヌに寄り添った先住民政策を再構築する方針が明示されました。
 道内の取組としては、七月、第二回定例道議会において「全国規模の総合的なアイヌ政策の根拠となる新たな法律」の早期制定の検討を求める意見書が議決され、関係省庁に提出していただきました。十一月には、知事のよびかけにより「民族共生象徴空間交流促進官民応援ネットワーク」が設立され、北海道経済同友会などの経済団体も加わり、民族共生象徴空間の整備に向けた官民一体の応援を始めていただきました。心から感謝申し上げたいと思います。

  いよいよ来年は、北海道命名百五十年の節目を迎えます。五十年前の開拓賛美からは大きく変わり、アイヌ民族と多数者が一緒になって、先人から受け継いだ北海道の財産を次世代につなげていくという未来志向に知事の姿勢や意義深さを感じ、私も委員の一人として検討会議に参加いたしました。道内の官民学界を代表する委員からアイヌ民族の歴史を踏まえ、北海道の歴史のあり方や、文化・芸術についても基本方針に盛り込むべきとの意見もあり、多文化理解が少しずつ進んでいることを実感したところです。

 このように、国や道の取組に進展が感じられる一歩も五歩も進んだ年であったと思っております。こうした流れを追い風に会員や地区協会の皆様と心を一つにして、さらなる国民理解が得られるよう取り組んで参りたいと思います。
 一月二十日、二十一日には、アイヌ協会創立七十周年記念事業を実施し、先人たちのこれまでの取組に敬意を表しつつ、現在の諸課題を見据え、将来に向けアイヌ協会が着実に歩み続けられるよう新たな一歩を踏み出す契機とする覚悟でおります。

 これからの数年間は、アイヌ政策の確立に向け大変重要な時期になります。
当会の役職員も、皆様と一丸となって邁進していきたいと考えておりますので、ご支援、ご協力をお願いいたします。
 最後に本年が皆様にとって良き年となりますよう心からご祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。